多様性が認めることで生み出す一皿

先日、天満橋で障害雇用とフレンチを組み合わせたウェディングもできるレストラン『ルクロド・マリアージュ』さんに訪問しました。

こちらのレストランは、健常者の方と障害を持っている方が一緒に調理またはホールスタッフとして働かれています。旬菜と細部までこだわりぬかれた美味しい食事を頂いた後、就労支援の一環でコースのデザートもしくは店頭でお土産にと販売をしている焼き菓子とディナーの演出で使うアロマキャンドルの制作をしている工房に見学させて頂きました。

こちらの質問に対し、すぐに仕事内容を嬉しそうに話されるキャストの方がいたり、話すのが苦手ながらも一生懸命に話されている方がいたり、各々特性は違えど、ひとりひとりが仕事を真剣に取り組む中でその過程で楽しみを見つけ、熱心に取り組まれていている姿が印象的で、心の底からこの仕事が好きだってことがひしひとして伝わってきました。

見学を終えて、オーナーシェフの黒岩功さんにインタビューさせて頂きました。福祉に携わったのは2012年頃で、チョコレートづくりを手掛ける横浜の施設に見学にいったのがきっかけでした。

就労施設での食品加工は専門的なスキルを持っている方が少なく、教える人が少なく、工程がシンプルで技術を必要としない利用者の方が作りやすいものを中心で、付加価値を付けれないから薄利多売でしか利益がない。だから障害者の方の給金が上がらないという実情の中で、黒岩さんは長年悩み続けた問題と同時に解消できないか考えました。

フランス料理の世界は精緻な技術を求められるかつ職人気質な方が多く、スキルなどは見て盗めいつまでたっても覚えられないなら退職しろという完全実力主義の世界で、人が思うように育たない離職していくからいつまでたっても人材不足が解消できないこと負のスパイラルをどうすれば解消できるか?
ということに模索していた中でのお話の自分の料理での商売のノウハウと福祉の理念である人を思いやることをうまく組み合わせればより良いものが作れることが気づき、雇用を生み出せるのでは気づき、行動にされました。

当初は偏見の目も常連の方も離れていき、同業者の方からは心無い言葉を浴びせられつつも、必ず理解してくれる人がいる。だからこのスタイルを崩さずやり続けることで『ユニバーサル・レストラン』と、ほかに類をみないビジネスモデルを確立されました。

障害の有無を関係なく、自分がしたいやりたいことを選択できる中で、最初は支援を交えながら段階的に自立を促し、一人ひとりが人間として成長できる機会や場が増えていくことを望みます。

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