岡山県の西側にある総社市(そうじゃし)では、「障がいがあっても、当たり前に働ける社会をつくりたい」という思いから、ちょっと特別な取り組みをしています。
それは、障がいのある人を1,500人雇用するという目標に向けて、まち全体で応援していこうというもの。
きっかけは、「障がいがあっても、地域の中で自分らしく生きていけるようにしたい」という、住民の声や市長さんの強い想いでした。そこで、市は「障がい者千五百人雇用推進条例」というルールの取り組みです。
この取り組みの中で特徴的なのが、市が企業に対して行っているやさしいサポートです。
たとえば、障がいのある方を雇った企業には「就労移行支援金」という形で補助金が出たり、企業と障がい者の方とのマッチング支援をしたりと、いろんな形でバックアップしてくれます。
初めて障がいのある人を受け入れる企業にとっても、安心してスタートできるように工夫されているようです。
市役所だけでなく、地元の企業や福祉施設、学校などもいっしょになって、障がいのある人の「働きたい」を応援しています。
就職相談の会を開いたり、働く場を見学できるイベントがあったり、まち全体があたたかい空気に包まれているようです。
少しずつですが、働き始める人も増えてきて、「働けてうれしい」「毎日が楽しくなった」という声も届いているそうです。「障がいがあるから働けない」ではなく、「どうすれば一緒に働けるか」を考える。
そんなふうに、一人ひとりの可能性に目を向けて、まち全体で支え合う総社市の姿は、とてもあたたかくて、希望に満ちています。
このやさしい取り組みが、他の地域にも広がっていけばいいなと思います。